日航ジャンボ機墜落から35年~言ってはいけない言葉~
先月、この本を読みました。
35年前、墜落した日航ジャンボ機に乗っていた方々の遺体の身元確認の陣頭指揮を執った方の著書です。
遺体の損傷状態やご遺族のとのやりとり、確認作業に携わった医師や警察の方々の過酷な状況などが事細かく書かれてあります。
Amazonのレビューでは、『トラウマになるから苦手な人は読まない方が良い』という投稿もありました。
確かに、生々しい記載はそういうことも起こるかもしれません。私は大丈夫ですが。
目が3つある顔面、太ももと思われる部分遺体に目が付いている・・・その理由を知るとぞっとするものはあります。
手脚がちぎれた・・なんて生易しいもんじゃありません。
今日8月12日は、事故被害者の方々の命日です。
ところで、今日記事をあげたのは、この本を紹介するためではありません。
「飛行機が落ちて死ねばいいのに」
少し前のTBSテレビ『王様のブランチ』で、作家の井上荒野さんという女性が、インタビューの中で言っていた言葉です。
昔しょうもない男と付き合ってた時、その男がよく旅行に行っていて、その度に飛行機が落ちて死ねばいいのにと思ってた・・・という話でした。
私はちょうど上記の本を読んだ直後だったせいもあり、
公共の電波で、こんな発言が許されるのだろうか?と思ってしまったんです。
同じ台詞を私は複数の友人から聞かされたことがあります。
旦那さんと不仲で、出張で飛行機に乗る旦那さんに向けて言っていたのです。本気で言っていたと思いますが、
私は「あはは」と笑い飛ばしていました。
あくまでも私と二人の席での話で、どんなに非人道的な事を言ったって、聞いているのは私だけ。二人で旦那の悪口を言いながら、そんな発言もアリでしょう。
しかし、テレビは違うんじゃないでしょうか?
友人も井上荒野さんも、まさか本当には起こらないとの仮定の上での発言でしょう。
それはわかるんですが、やっぱりテレビで言うのはあまりにも不謹慎だと思ってしまったんです。実際に起こっていることなので。
飛行機事故の遺体の状況は凄惨を極めます。
飛行機事故だけではないでしょうけれど、辛い思いをするのは遺族だけではありません。遺体を拾う人、身元確認作業に携わる人、多くの人にとって忘れられない辛い思い出となります。
井上さんのインタビューは生放送ではなくVTRだったわけで、この発言をカットすることもできたはずです。でも、TBSは躊躇なく流しました。
毎年話題となる日航ジャンボ機123便の墜落日を目前にして、配慮が足りなかったと思うのは、私の考えすぎでしょうか?